

腰椎椎間板は夜寝ているときに水分が吸収されて最大に膨らんでいます。朝起き上がる際には椎間板に内圧が加わり周囲の神経から痛みが脳に伝わるので朝痛みが強く感じます。
椅子に座っているときの姿勢の悪さが腰痛に影響を及ぼします。
椅子に座っているときに姿勢が悪くなってくると、骨盤後傾となります。骨盤が後ろに傾くと腰椎の部分は前がつぶれて後の部分が開くことになります。そうすると椎間板の中身は開いている後ろの方向にはみ出してくることになります。また脊柱を守る筋肉は姿勢の悪さの為に引き延ばされて筋疲労を蓄積してしまうために、慢性的な腰痛を患ってしまうことになります。
腹筋も腹直筋と腹斜筋と腹横筋に分かれます。またそれぞれ上部の線維と下部の線維に分けられます。この中で腰痛に影響を及ぼすのは体幹を守る働きのある腹横筋、特に下部線維がとても重要です。
呼吸法が大事です。鼻からゆっくりと吸い込んで口から細く長く吐き出します。 へその下3寸のところに臍下丹田があります。身体の中心点と言われています。ここの部分をお腹をひっこめるように引き締めて呼吸法を繰り返します。
急に腰が痛くなったことを急性腰痛症といいます。通称ぎっくり腰です。
ぎっくり腰はすべて同じものではなく、原因によって、関節を痛める場合と筋肉を傷める場合と椎間板を痛める場合の3つに分類することができます。
痛めた原因と部位を明確にすることによって、鑑別をすることができます。
腰部が不安定な場合に補助具として体幹を締めるコルセットは腰痛治療としても予防としても有効です。良くコルセットを使っていると腰痛が癖になるといいますが、あくまでサポーターとしての機能を考慮すると、安静時を除いて身体を駆使するときには使用すべきだと考えます。
コルセットが体幹のすべての筋肉をカバーすることはできません。逆に言うとコルセットごときで体重を支えている腰の筋肉の代役とはなりません。よって、コルセットをしていても体幹の筋肉は作用しているので、簡単に筋肉が落ちてしまうとは限りません。ただし、コルセットに頼り切りもよくないので、患者さんの痛みの強さ、体調に合わせて筋トレはお勧めしています。
筋肉に関連する痛み、関節に関連する痛み、椎間板に関連する痛みの3つがあります。
椎間板を痛めることを椎間板症といいます。椎間板症は大きく4つのステージがあります。T椎間板がつぶれてきたもの。U椎間板の一番外側の繊維輪が裂けてしまったもの。V避けてしまった部分から椎間板の中身である髄核が出てきてしまったもの。W出てきた髄核が分離してしまったもの。これらのうちのステージV以降が椎間板ヘルニアといいます。ただ、激痛になるのはステージUです。これは神経の関係です。
正確には世界腰痛外科学会では牽引は効果がないと定義しております。しかし、腰椎椎間板に陰圧をかけることは有効であるという論文もあります。つまり、機械的な牽引は実際には患者さの身体が抵抗をするので椎間板に対しての牽引にはならないとされています。垂直方向に体重を除いて腰部に係る内圧を下げること、または臥位にて腰部に係る圧を軽減させることのみが椎間板に対する陰圧の治療法と考えられます。腰痛治療器プロテックで腰部に係る体重を取り除く療法、または安静療法のみが椎間板を痛めた場合の痛みには有効であると考えます。(ペインクリニックや手術を除いた場合)
腰痛の原因はひとつではありません。筋肉のこり、関節の動きの悪さ、神経の圧迫、姿勢のクセなどが重なって起こるのです。
お医者さんに診断される腰痛は全部のうち15%です。残りの85%ほどの腰痛は病名がつきません。けれども痛みがあるのですから、何かが悪いのです。その何かとは骨などそのものの問題ではなくて、動くメカニズムに問題があるのです。
大切なことは、「痛い場所=原因」とは限らないということなのです。
身体の動き全体をみて、それぞれのバランスを整えることで、腰への負担を減らすことができます。
筋肉の硬さ、筋力低下、関節の動き、椎間板のクッション性など痛みの原因を正しく見極めることが、完治への第一歩なのです。
「検査では異常なし」と言われたのに痛い…。これは珍しいことではありません。画像で見えるのは骨や関節など“構造”の部分ですが、筋肉や神経の働きといった“機能”は検査の画像には映らないからです。
関節の動きの悪さや、痛みを感じる神経の興奮があったとしても、画像上に痛みの信号そのものは現れません。ですから「異常なし=問題なし」ではないのです。
画像では見えない不調こそ、我々の手技や運動療法で改善できる部分です。
多くの場合、長時間の同じ姿勢や冷え、ストレスなどが痛みの原因になります。原因を丁寧に見極めて、機能的な問題を整えることで改善することができます。
実際に多くの方が手術をせずに改善しています。神経の圧迫だけでなく、周囲の筋肉が硬くなって痛みを出している場合も多いのです。体のバランスを整え、腰にかかる負担を減らしていくと、神経の圧迫が軽くなり、回復することも稀なことではありません。
姿勢や動きを正しく整えることから始めてみましょう。
その為には、筋肉の柔軟性と体幹の筋力が重要です。
多くの方が、ご自身でも努力されて手術をせずにすんでいるケースがたくさんあります。
実は、天気や体調、そしてストレスなどが関係しているといわれています。
たとえば、寒い日や疲れている日は、筋肉が硬くなりやすく、神経が敏感になって痛みを感じやすくなるんです。
特に、これといった原因が見あたらないのに痛みを感じるときも、体の機能が戻ってくると、自然に痛みが落ち着いてくることがあります。
そんなときは、自律神経のバランスを整えてみてください。交感神経と副交感神経、この2つのバランスがポイントです
一番簡単な方法は、規則正しい生活を心がけること。食事の時間を整えて、しっかり睡眠をとって、体を冷やさないようにしましょう。
それから、軽い運動もおすすめです。私はウォーキングをおすすめしています。
そして何より大切なのは、痛みの波に振り回されないこと。少しずつ整えていくことで、痛みの波はだんだん小さくなっていきます。
焦らずに、ゆっくり続けていきましょう。それが、改善への一番の近道です。
強い痛みの初期は、まず安静が大切です。
ただし、大事にしすぎて腰をまったく動かさないのは、かえって逆効果になることがあります。
動かさない期間が長いと、筋肉が弱り、関節の動きも悪くなり、回復が遅れてしまうんです。
痛みが少し落ち着いてきたら、ストレッチや歩行などを、無理のない範囲で始めてみましょう。「痛みを感じない範囲で、気持ちよく動かす」――これが大切なポイントです。
今は、腰痛を“動きながら治す時代”です。怖がらずに、少しずつ体を動かしていきましょう。
安静にするのは数日で十分です。早い段階で活動を再開したほうが、社会復帰も早く、痛みの回復も良いという報告があります。
湿布やコルセットは、一時的に痛みを和らげるにはとても役立ちます。
薬の成分で炎症を抑えたり、安心感を与えてくれたりします。
ただし、長く使いすぎると筋肉が弱ってしまうこともあります。大切なのは、“頼りすぎないこと”。
サポートとしてうまく使いながら、痛みをコントロールしつつ、自分の筋肉で体を支える力をつけていくことが理想です。
根本的な改善には、「動きの回復」が欠かせません。安全にトレーニングなどを行い、体幹がしっかりしてくると、自然と湿布やコルセットを手放せるようになりますので、安心してください。
なお、コルセットには種類があります。腰全体を包み込んで支える「腰部固定帯」、そして、仙腸関節の不安定さをサポートする「骨盤ベルト」。
痛みの出ている部分や目的に応じて、うまく使い分けていくとより効果的です。
「背筋を伸ばすこと」が良い姿勢だと思われがちですが、実は、それだけではありません。
一番大切なのは、“骨盤を立てる”ことです。
骨盤を少し前に起こして、お腹を軽く引き上げるように意識すると、自然と背すじがまっすぐになります。
長時間座るときは、背もたれに頼らず、骨盤を立てる意識を持ちましょう。
立っているときには、おへそを引っ込めて、骨盤を前に傾けるように意識してください。
イメージは、あたまのてっぺんに紐がついていて、天井から軽く引っ張られている感じです。
毎日の姿勢を少しずつ変えるだけで、腰への負担はぐっと減っていきます。